第一回 評価シート付き小説レビュー企画 結果発表ページ

第一回 評価シート付き小説レビュー企画 結果発表ページ

 

参加者の皆様、お待たせしました。

「なろうラボの調査結果」と「LcRA」のコラボ企画

『評価シート付き小説レビュー企画』

の評価レビューを発表をさせていただきます。

企画概要等

今回の企画はTwitterで募集したジャンル不問の『3万字以内で完結した短編小説』全てに評価シート付きでレビュー(紹介)をする企画になります。

応募作品は全部で40作品。

個人サイトの企画にも拘わらず予想以上の応募をいただいきましてありがとうございます。

※以下は募集ツイートになります。

※また、想像以上の勢いで応募作品が殺到してしまったため、
参加作品の数を絞るために、こちら都合で企画発表からわずか4時間程度で応募作品を締め切るということになりました。
応募する意志はあったにもかかわらずできなかった全ての皆様に謝罪させていただきます。申し訳ございませんでした。

評価について

今回の企画ですが、
以下の五項目五点満点で評価させていただきました。

・キャラクター
・世界観の作り込み
・表現の豊富さ
・構成
・読みやすさ

また、各項目の合計点によって以下のラインで総合評価を出しました。

総合評価S 23以上

総合評価A 23未満~20.5以上

総合評価B 20未満15.5以上

総合評価C 15.5未満~10以上

総合評価D 10未満

項目の設定により、作品ジャンルによって高評価の出やすさが変わってしまうことがありますが、ご了承ください。

レビューメンバー(なろうラボ&LcRA)

今回のレビューメンバーは以下の三名になります。

なろうラボ
当サイト管理人。普段はWeb小説投稿に役立つ情報を集めるアンケートなどをおこなっているが、評価については素人。評価コメントに「三幕構成」という言葉を使ったが本人もちゃんと理解できているかは怪しい。

黒 蓮

Web小説紹介チーム「LcRA」の運営代表。評価イベントについては今回が初めて。
『自分の作品をもっと多くの方に読んでもらいたい』という書き手のために、Web小説家と読者を繋ぐための活動を始める。アイドルプロデュースを始め、塾講師、ラーメン屋、小説紹介アカウントなど多方面で活躍の場を広げている。 近頃の趣味は小説執筆と筋トレ。

一色 遥

Web小説紹介チーム「LcRA」のメンバー。自身が連載中の長編Web小説「採取はゲームの基本です!! ~採取道具でだって戦えます~」はジャンル別日間(VRゲーム)にて1位を記録したことがある(日間ランキング[総合]では14位を記録)。
現在累計74万PV越えを記録する等、絶好調の状況で審査員として参加していただいた。

http://ncode.syosetu.com/n0214cq/

全参加者の各項目の平均点・書籍化経験作家の平均点発表

各作品をレビューする前に、
まずは各項目の参加者平均点を発表させていただきます。

全参加者の平均点は以下の通りです。

第一回 評価シート付小説レビュー企画 参加者平均

読みやすさ    3.51

世界観の作りこみ 3.66

構成       3.36

表現の豊かさ   3.54

キャラクター   3.53

合計点平均    17.60

書籍化経験作家の作品を抜いた場合の平均点はこちらです。

第一回 評価シート付小説レビュー企画 書籍化未経験作家平均得点


読みやすさ    3.34

世界観の作りこみ 3.38

構成       3.20

表現の豊かさ   3.35

キャラクター   3.30

合計点平均    16.57

※書籍化未経験作家なので『書籍化予定』の作家様はこちらに含まれます。

また、今回書籍化を経験した作家さんの書いた作品8作品も参加。(書籍化予定作家も含めれば10作品。実に参加作品の1/4)。
今回は目安として書籍化経験作家様の平均得点も公開させていただきます。

第一回 評価シート付小説レビュー企画 書籍化経験作家平均得点

読みやすさ    4.02

世界観の作りこみ 4.38

構成       3.75

表現の豊かさ   4.03

キャラクター   4.1

合計点平均    20.28

加えて

※書籍化経験作家なので『書籍化予定』の作家様はこちらに含まれません。

※作品に点数や評価がついてはいますが、この企画は順位をつけるものではありません。審査員は面白いと言っているのに評価項目に合わず高い評価が出せなかったものや、審査員が未熟ゆえに良さを理解できなかった作品等がございますがご了承ください。

また今回、自分の創作活動に悪い影響が出る可能性があるにもかかわらず、評価シートの公開に応じてくれた全ての作者様、公開までいかずとも応募していただいた作者様、企画をするにあたってアドバイスをいただいた複数のなろうユーザーや外部のレビュアーの方々、本当にありがとうございました。

それでは、各作品の評価シート公開に参ります!

評価S(23.0以上)

該当作品なし。

(審査員の個人審査では3作品が合計23.0を超す評価が出ていたので、後日、別のページにて紹介したいと思います。素人の癖になんか厳しくてすいません!!!!)

評価A(20.5以上 総合点公開します)

からくり兵士は子守唄を聴き返す 総合点22点

赤崎桐也 7,538字 SF

http://ncode.syosetu.com/n2826dz/

感想:

機械兵たちが生身の女の子を戦地から助け出す話。評価項目にマッチしないためS評価は出せませんでしたが、参加作の中でも目立つほど完成度が高い作品だと思います。冒頭の描写は出てくるロボット兵士がやや多いことやキャラクターの名前が覚えづらいこと、三人称か一人称か分かりづらいことなどが原因で読みやすさが損なわれておりますが、構成を考えるとこれがベストなのではないかと自分も思います。また、設定の凝ったSF短編作品はキャラを立たせにくいのですが、この作品はキャラに愛着が湧くほど上手くできていました。シートの文字数の限界で演出について語りきれないのですが、本当に勉強になる書き方がされていました(なろうラボ

他のレビュアーからのコメント:他でリアリティさが高すぎるためか、前半 地の文の隊長機の機械的な語り方の中に普通の人間のような部分が少し目立ちました。

 

リリちゃんと、冬と春の女王様 総合点22点

港瀬つかさ 7,949字 童話〔その他〕

http://ncode.syosetu.com/n2557dt/

感想:

ディズニー映画のような童話作品です。文章表現力が参加者の中でも最上位に近い書き手さんだと感じました。童話風の言葉遣いを維持したまま、読者の眼に浮かぶような幻想的な描写ができるのは特にポイントが高かったです。キャラクターの評価も割と高いんですけど、これは表現力が高いゆえに上手く演出ができていたという印象があります。作品というより、この書き手さんなら何を書かせても高いレベルの作品を作れるだろうなと感じました(なろうラボ

他のレビュアーからのコメント:非常にクオリティの高い作品ですが、童話だとしてみると、最後の締めが少し童話っぽくない、と思ってしまいました。そのため、構成点がやや弱めに出ています。

 

座敷童子は十七歳 総合点21.5

空伏空人 25,064字 現実世界〔恋愛〕

http://ncode.syosetu.com/n8367dj/

感想:現代日本で妖怪のお姉さんが少年を守る異能力もの。幸せな結婚はできるがロクでもない不運な死に方をする呪いにかけられた一族の最後の生き残りの少年という設定にワクワクさせられました。また、厨二心をくすぐる一人称の独白にセンスを感じます。目立って悪いところはないのですが、幸せな結婚という設定が上手く生かされておらず、不幸な死に方という呪いだけでストーリーが成立してしまう部分にやや物足りなさを感じました。参加作でぶっちぎりに少年漫画的面白さに溢れた良作でした。(なろうラボ)

フィアの魔女 総合点21.5

靄道 鎖(道草家守 ) 21,165 ハイファンタジー http://ncode.syosetu.com/n5408dy/

感想:正体不明の怪物と、それを世話する奴隷の少年の物語。人物の経歴や過去にあった出来事などがキャラクターを際立たせるということがよく分かる作品でした。後半から文体が童話的から締まった文章に変化し、元々の文章との差異でフィアがどれだけの経験を積んだのかなどを読者にイメージさせるなど演出方法も抜群でした。今回の企画は評価項目的に独創的な作品が埋もれやすいのですが、これは高い評価が出てよかったです。(なろうラボ)

他のレビュアーからのコメント:全体的にまとまって上手い作品ではありましたが、世界観が少しわかりにくく、情景描写が難しくなっている傾向があったように感じた。 後半に少しずつ世界観を開放していく構成でしたが、結果的に読みにくくはないが読みやすい!とも言いずらい状態になっていたようにも感じました。

灰色狼は冬の庭に遊ぶ 総合点21.5

やしろ 17,281字 童話

http://ncode.syosetu.com/n2387dt/

感想:童話というジャンルが付されているこの作品ですが、どこか神話の一部分のような幻想的な雰囲気があふれるものでした。独特の世界観の中で本来相容れない存在である、女神と1人の人間の喜びや苦悩といったものが繊細に描写され、女神の普段とのギャップがよりリアルに彼女の感情を伝えてきます。()や―が使われる部分がいまいち区別が分からず、序盤の文章が安定していない印象を受けたので、S評価には至らず、A評価を付けさせていただきました。(黒蓮)

他のレビュアーからのコメント:文章だけで厳かな雰囲気を徹底的に作り上げていて、世界観の作りこみがすごいと思いました。アイディアは企画ものからということですが、どちらかというと作者様の演出によってこの作品の世界観ができている印象がありました。

 

雌狼と独りきりの番 総合点21.25

忍丸 19,507字 異世界〔恋愛〕

http://ncode.syosetu.com/n1887dv/

感想:狼と人間が魂に定められたツガイになるお話。狼視点で話が進むため、読み手には双方の意思がわかりますが、物語の登場キャラクター達の間では相互理解がされていない、などむず痒く感じる展開が、物語を面白くさせており、非常に好印象でした。ただ、悪いというよりも、少し気になった点としては物語の締めが少し急展開になってしまっていたように感じました。しかし、全体的にクオリティが高く、面白い作品に仕上がっていたと思います。(一色)

他のレビュアーからのコメント:終盤やや急ぎ足になってしまいましたが後半の狼が番の死を受け入れられず、気付かないフリをする描写が良かったです。感受性高い人なら泣いてしまいそうな出来でした。ただ最後の調査やワイバーンなどの描写は、やや蛇足に感じました。

貧乏伯爵令嬢と強面侯爵令息 総合点21

すず(Sn) 12,150字 異世界〔恋愛〕
http://ncode.syosetu.com/n6522dv/

感想:読んでいてニヤけてしまうほど面白かったです。この企画の評価項目にハマるタイプの良作でした。こういう女性向けのコメディはあまり得意ではなかったのですが、それでも面白かった。特にキャラクターが参加作品の中でもトップを争うレベルで活き活きしていて良かったです。個人的な感想ですが、コミカルなシーンを描くという能力に関しては書籍化経験作家さんに負けてないと感じました(なろうラボ)

他のレビュアーからのコメント:キャラ立ち、世界観などが光ってました!ただ、毎話視点変更がされるためすこし文章的に読みにくく感じる部分、また、妹と兄の会話シーンで一瞬どっちがしゃべったかわかりにくくなるシーンがありました

妾は猫又である。総合点21

道草家守 23,812字 ハイファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n6043dp/

感想:現代日本に住む妖怪「猫又」が和風に近い異世界に放り込まれる話。特徴的な語り口にも拘わらず、つまることなく読むことができる文章力が素晴らしいと思いました。難しい口調のキャラクターがブレることなく、また生き生きと描かれている点が非常に高評価でした。が、キャラものゆえ続きがあるような書き方(読み切り漫画的である)のため、あくまで短編としての完成度を考えた結果構成点を下げさせていただきました。全体的には完成度が高い作品だったと思います(なろうラボ)

空の彼方のホシクジラ 20.5

しろいるか 6,143字 SF

http://ncode.syosetu.com/n3047ef/

感想:核戦争後を思わせるSF的世界観とファンタジーを混ぜた短編。漫画だったらアフタヌーンに載ってそうなSF作品ですね。評価項目が違っていたらこの作品が総合点でナンバーワンだったかもしれないです。むちゃくちゃ独創的で面白い。印象に残る作品でした。キャラで勝負する話ではないゆえ、どうしてもキャラクターでは高い点数が出せませんでした。キャラの書き分け等はきちんとできていたと思います。没入度、独創性、ストーリーの起伏等が評価項目にあればダントツのSF作品でした。(なろうラボ)

他のレビュアーからのコメント:色が無くなる=死というのはなかなか独創的で面白いです。しかし、大きな意味での世界観がいいだけあって細部の詰めがやや甘いと感じました。

 

B評価 合計点数 20.5未満~15.5(Aに惜しかった作品は得点公開)

鎮めの清き涙

作者 港瀬つかさ 15,841字 ハイファンタジー http://ncode.syosetu.com/n1098da/

感想:物語の運び方、世界観の作りこみには文句の付け所がありません。特に世界観は短編にするには勿体なく、同じ世界観でのスピンオフ作品や物語の空白の期間、そしてこれからの話をもっと読みたいと思ってしまう良作でした。しかし、重複した表現や丁寧な描写が逆に仇となってしまう箇所が散見されたため、S評価には至らずA評価を付けさせていただきました。(黒蓮) ※その後、評価ラインの引き上げに伴い、B評価となりました。

人魚奇譚 総合点19.5

しきみ彰 11,457字 純文学〔文芸〕

http://ncode.syosetu.com/n4720dk/

感想:様々な人魚に関わる伝承を自然に組み込まれながら、怪しげな美しさを持つ人魚とそれに魅入られた人間の心情を巧みに描写した作品。人街である人魚の得体のしれない魅力と魅入られた男たちのリアルな狂気が読んだ後になにかゾクッとする怖さを与えてくれ、夏も終わり、秋はじめである今の季節にピッタリです。表現の豊富さに若干の物足りなさを感じたため、結果B評価を付けさせていただきました。(黒蓮)

他のレビュアーからのコメント:純粋な直球エンタメ作品ではないので、これは評価が難しかったです。分かりやすく目を惹くような文章はないのですが(たぶん世界観作りのためわざとだと思います)、会話文一つなく物語を書ききる力と世界観の作り込みが凄まじいと感じました。

戦火の少女剣士 総合点 19.5

いかぽん 20,158字 ハイファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n5204cy/

感想:鋭い戦闘描写と暗いストーリー展開に惹かれ、結末がどうなるのかワクワクしながら読ませていただきました。剣士になってからは文章への熱の入りようが変わったように感じたので後半だけで審査するならもっと評価が高くなると思います。特に冒頭が顕著なのですが、一文が必要なく長い箇所があり、悩みながら読みやすさの評価項目を3にさせていただきました。他の参加者と比べて少し直接表現が多く、一文の役割が薄いという印象があります。簡単な言葉を使いながらも、一文で視覚情報+状況説明 or 人物の掘り下げ をこなす参加者さんが多かったので、そこまで読みにくくはなかったのですが評価を抑えさせていただきました。(なろうラボ)

個人的な感想ですが、漫画だったらヤングガンガンとかウルトラジャンプに連載されてそうな雰囲気を感じました。別冊少年マガジンよりちょっと大人向け?みたいな

白い服の人 総合点19.0

海水 13,005字 ヒューマンドラマ〔文芸〕

http://ncode.syosetu.com/n0463du/

感想:黒木華さん主演の戦時中を舞台にした邦画のような小説。優しい口調の主人公のキャラがとても立っていました。最終話直前~最終話にかけてや白い服の人がどうなっているのかの叙述トリックは割と好きでした。とても実力ある書き手さんだと思います。ややキャラクターのプロフィールを地の文で説明しすぎな印象があります。審査側の好みかもしれませんが、ワンシーンをじっくり書く小説の場合、前半の父親が死んだことや兄が軍にいることなどを視覚情報だけで読み取れるようにすると、より読者が世界観に入り込めると思います。(なろうラボ)

王国双剣物語 〜前世の夫は今世も夫〜 総合点19

しきみ彰 24,885字 異世界〔恋愛〕

http://ncode.syosetu.com/n4879dt/

感想:剣の決闘で婚約者すら奪ってしまえる国のお話。タイトルからも読み取れる通り、転生ものですが、転生するまでの間に法律などが歪められているという点が時間の経過を感じられて良かったです。ただ、登場キャラ数が多く、短編として読むと、各キャラの情報が入りにくくなっていたように感じました。そのため、読みやすさの項目を少し下げさせていただきました。(一色)

他のレビュアーからのコメント:エンタメ的な面白さは人魚奇譚よりこちらの方が高く、多くの人が楽しめる作品だと思います。文字数あたりのキャラクターが多いというより「1シーンに含まれるキャラが多くて読みづらい」という印象がありました。また、読み切り漫画だと考えればもっと評価点は高いですが「短編小説」としてまとまっているかを考えた場合、やや無理やり完結させた印象があり、構成点が下がりました。A評価は出ませんでしたが、今回参加していただいた二作とも「企画で評価が出しにくい作品」だった印象があり、非常にクオリティが高い作品でした。次回の参加もお待ちしております!

 

異世界で魔王を倒してきた元勇者ですが、こちらに戻ってきても就職口がありませんでした。

(=`ω´=) 18,622字 純文学〔文芸〕

http://ncode.syosetu.com/n8134bk/

感想:作品の文章内では異世界転移のシーンはありませんでしたが、主人公が転移し、勇者となり魔王を倒し元の世界へと戻ってきてからがリアルに描かれた作品。いい意味で短編らしくない斬新なテーマであり、ジャンル分けが難しいところではありますが、良い作品だと思います。誤字脱字が多く、構成等から短編というよりは連載作品の一部分といった印象を受けたため、総合評価がギリギリB評価となってしまいました。(黒蓮)

他のレビュアーからのコメント:出オチとも思える設定を緻密に書いていて、ずば抜けたリアリティの作品だったと思います。タイトルから暗い話を想像したんですけど結構明るくて読むのが楽しかったです。「スーパーサラリーマン左江内氏」のようなイメージでもっと主人公が物理的に活躍する場面を作ったらより多くの人が楽しめる作品になると思います。

あなたに「あお」を捧げましょう

黄尾 24,000字 ハイファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n1479ck/

感想:書き手さんの思い入れのあるキャラクターと世界観なのか、作り込みがしっかりしていて、この二項目は高い点数を付けたいと思いました。キャラクターの行動と思考がものすごく生き生きとしていて、読むのが楽しかったです。ただ、物語に関与しない現在時間の作中人物同士の会話文が唐突に挟まれる部分があり、短編としての完成度を考えた結果、構成点が低めに出ました。シリーズの方を読んだことのない審査側としては、このパートの出現によりどうしても世界観への没入感が損なわれてしまいました。単独の作品として読める工夫があればA評価もあり得たように思えます(なろうラボ)

咲いて、足跡

くろふ 25,908字 ヒューマンドラマ〔文芸〕

http://ncode.syosetu.com/n7652dz/

感想:とある事情から、道端のたんぽぽを探す物語。花の精霊と一緒に依代を辿っていくという着眼点、また道中のキャラクター同士の掛け合いも面白く、雰囲気の良い作品に仕上がっていた。ただ、過去を辿っていくという設定でありながらも、戻ってくる記憶が逆送りではないように見えるのが少し気にかかったため、構成、読みやすさの項目を少し下げさせていただきました。(一色)

他のレビュアーからのコメント:この作品が映像作品だとしたら「内容的な意味での構成」は悪くないんですけど、 中盤の会話文だけの部分が少しダレてしまい「小説的な構成」というところで高い得点を出せませんでした。ただ、後半「会話だらけだった箇所が逆に生きる」とも感じました。序盤は描写はとても良かったと思います。

モブとして全力を尽くしたいので、邪魔しないでください!

みぬま 15,605 現実世界(恋愛)

http://ncode.syosetu.com/n0729ec/

感想:少女漫画のモブが自意識を持ったことで動く物語。構成が非常に秀逸、結局どう着地させるんだ……?と思っていたところでの大どんでん返し。やられましたね。主人公が恋の意識を育んでいくシーンが少し表現不足に感じました。そのあたりがより落とし込むことができれば、ラストシーンがさらに際立つかと思います(一色)

他のレビュアーからのコメント:「意志が芽生えたのではなく、作者が突然気に入ったスピンオフになっていたのだった!」という事実にサプライズ感を与えたいなら、「スピンオフ」でなければ起きなかった何かを起す or いくつか不自然な描写をしてそれを伏線として貼っておいてそれを回収する形をとった方がより完成度は高まる気がします。そうでなければ、最後の展開は読者の予想を超えたラストではありますが「ただ予想外れなだけで驚くような展開にはなっていない」という状態になる読者も生まれてしまうので、もったいないと思いました。しかし、最後まで展開を追いたくなるような話の組み立て方をしていたので構成点は高いです。

 

茜さんのお食事は特殊です。(R18)

飴谷きなこ 10,912字 ムーンライトノベルズ http://novel18.syosetu.com/n7659ea/

感想:カロリーと栄養以外の食事を必要とする女性と、男性の物語。状況描写、心理描写が巧みで、読んでいても違和感なく世界に入り込めたのがとても良いと思いました。ただ中盤以降が多少説明が多くなってしまっており、多少読みにくさを感じてしまったようにも思います。アダルト作品ではあるが、間の取り方なども上手く、十分おススメできるレベルの作品かと思いました。(一色)

他のレビュアーからのコメント:正直ジャンルがジャンルなので、他作品とは比べられません。が、「気」の説明が物語にとって効果的だったのかどうかはいまいち判断できませんでした。

ヒメニナル

フジムラ 25,473 ローファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n1376dl/

感想:ライトノベルらしい王道異能力バトル作品。短編とは思えないほどしっかりと作られた世界観のおかげで既視感なく素直に楽しめる作品だと感じました。日常のほのぼのとしたシーンもしっかりと書かれており展開のメリハリが良いと感じました。短編ということで終盤が少し駆け足であること、キャラクターの少なさが惜し悩んだのですが、A評価には至らずB評価とさせていただきました(黒蓮)

<捜し屋>のセキ

新山セル 5,161 ローファンタジー
http://ncode.syosetu.com/n3468dp/

感想:死に際の少年と、彼の最後の心残りを取り除くべく探し物をする少女の話。会話文と主人公の心の声を中心にストーリーが進み、結末が気になる話でした。独特な設定が審査チームで高評価でしたが「死神」や「捜し屋」という設定の消化不良を指摘する声もありました。エッジが効いたキャラクターがいるわけではないですが、優しい文体で不思議な世界観があり、こういう小説が好きだ、という人も大勢いると思うのでこれからも執筆を頑張ってください。(なろうラボ)

他のレビュアーからのコメント:捜し屋という設定や虹などの描写は良かったと思いますが 何度か試行を重ねる間にもう少しやり取りを入れたり、死神と捜し屋の設定を上手く使う方法があるだろうなと思いました。

悪役令嬢なのかヒロインなのか、まずはそこからが問題だ

霜月零 16,443字 異世界〔恋愛〕

http://ncode.syosetu.com/n1803dy/

感想:目覚めたらそこは、乙女ゲームの世界?だったという物語。よくある転生物ではあるが、主人公がその手の話を知っている女子というところがまず面白い。その結果、自分が本家の方なのか、二次創作の方に入っているのか悩むという展開に、少しドキドキしました。ただ、多少言い回しに疑問点があり、そこが改善されればより面白い作品になると思います。(一色)

他のレビュアーからのコメント:連載のお試しとして考えれば楽しめるかもしれないが、「短編小説」としての完成度を考えるとやはり得点は落ちます。

勇者物語Legend-最初の勇者の物語-

野川真実 21,698 ハイファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n9600dz/

感想:プレイステーション用のRPGソフトのような優しくて切ないファンタジー小説。キャラを絞って書いているため、非常に読みやすかったです。また、闇の石を封印するために陽気な性格の主人公がほとんど生贄のような役割を担うといった設定にも惹かれました。なろうの評価はもっと高くていいと思います。ただ展開さにやや急さを感じました。ボリュームの多いストーリーを少ない文字数に収めているので仕方がないのですが、出てくる設定の登場にやや唐突さがありました(なろうラボ)

他のレビュアーからのコメント:話の流れ、内容はしっかりと魔王討伐?とその過程、そしてそれ以降の話と短い中にまとめられていてよかったと思います。ただ、日常で使わない難しい言葉、漢字などを多く使う割に文が〇〇だ。〇〇た。の連続で短調な印象を受け、文章が脳内で再生されるイメージは「動画」というより「パラパラ漫画」のような感じでした。個人的には必要な部分のバトルシーンや描写をごそっと省いている印象があり、物足りなさがあります。話の最後が幾らか感動的な分、もったいないと感じました。

三日遅れのバレンタイン

だーおん 9,543 ローファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n0062dv/

感想:とある青年が、人ではない何かと出会って始まる物語。キャラクターがとても魅力的で、特にヒロインが良く出来ており、可愛らしく、面白いキャラクターになっていました。誤字などが途中あり、一瞬考えてしまう時間ができてしまったのが勿体なかったですが、全体的に完成度が高く、まとまっている印象を受けました(一色)

他のレビュアーからのコメント:評価が割れた作品です。Aを出したレビュアーとC寄りのBを出したレビュアーがいました。自分は短編完結度が弱くキャラクターを好きになれるかなれないかで、好みが決まる作品だと感じたため、低めに評価しています。直接表現が多く、特に凝った文章があるわけでもないので表現の項目は抑えめにしました。また、短編で起伏のあるストーリーを見せるというよりもキャラクターとのかわいらしいやりとりを見せて、まとめやすい形で締めるという構造なので構成も減点はないものの、参加者平均点に近い得点を出しました。

バレンタインまであと少し

にけ 20,920 現実世界〔恋愛〕

http://ncode.syosetu.com/n0423du/

感想:四人の女子中学生が、バレンタインに向けて準備する話。少女漫画のような作品です。他人同士に流れる雰囲気の描写や、感情表現が非常に豊富な作者さんだと思いました。特に語り手の「恥ずかしい」「悔しい」という感情の描写が非常に上手く、この部分は磨けば武器になると思います。中盤以降はやや緩和されたのですが、7話以前が「キャラクターを紹介するためのシーン」以外の役割が薄く物足りなさを感じました。短編にしては必要以上にキャラクターがやや多く読みづらいため少し減らした方が良いと思います。文章を読む限り作者さんに力はあるはずなので、構成を見直すとより良い作品になると思います。(なろうラボ)

脅威

Re over 1,421 ミステリー

http://ncode.syosetu.com/n4287ee/

感想:文字数が少ないため多くは語れませんが、サッと読んで最後にクスっと笑えるそんな作品。最後の一行まで何の話なのか分かりませんが、読み終えれば全て納得できスッキリします。即興で書き上げたもの故か文章が少しおかしな部分が散見されましたので、B評価を付けさせていただきました。(黒蓮)

他のレビュアーからのコメント:噴射口という言葉で早い段階でオチが見えてしまうので、もっとうまくごまかせるといいと思います。

 

猫と旅をする

来宮悠里 3,017 ハイファンタジー
http://ncode.syosetu.com/n2075ef/

感想:黒猫と青年が旅をする、ぼのぼのとした物語。黒猫の視点で話が進み、全体的にのんびりとした印象を受けました。全体的にまとまっている分、物語の味が薄くなってしまっている気がします。キャラクターたちの個性や、物語としての情景描写など、より深く掘り下げることができれば、もっと良くなる可能性を秘めているかと思いました(一色)

Angel ―こぼれた涙―

鈴鯉 29,759 ローファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n5965dk/

感想:描写力が高いゆえなのですが、校舎の中のシーンが映像として思い浮かべやすいです。SF作品のように複雑で尖った設定などはありませんが、学校という世界が丁寧に書き込まれていたので世界観の「作り込み」という点を高く評価したいと思いました。タイトルや不思議な現象を起こすことが可能なことなどいくつか伏線はありましたが、最後の天使設定はやや唐突に感じました。好みかもしれませんが「実は人間じゃなかった」に加えて幽霊や未来人ではなく「天使だった」ことによって生まれる効果があれば読者側を良い意味で驚かすことができたかもしれません。(なろうラボ)

他のレビュアーからのコメント:評価がやや割れた作品です。自分は評価を抑えました。構成に関しては、妊娠の話とラストの天使シーンが少し唐突な印象があります。またところどころ、表現に力を入れすぎてしまい逆に読みにくくなってしまっている部分が目立ちました

 

初デートは夢の中で

Moi 14,054 現実世界〔恋愛〕

http://ncode.syosetu.com/n3949eb/

感想:現実と夢とを行ったり来たりしながら話が進んで行く恋愛作品。構成が上手く、王道展開ではあったが、楽しんでいるうちに読了してしまえたのは非常に好印象を受けた。ただ、表現がどうしても独白主体となるため、同じような形になってしまい、慣れるまでは少しダレてしまう可能性があったように思いました。表現をもう少し推敲できれば、より読みやすく印象深い作品になるかと思います(一色)

他のレビュアーからのコメント:評価がやや割れた作品です。自分は構成に高い得点を出しました。同じ脚本を乙一さんが書いたらもっと描写省けて、無駄なくできる気がします。 ただ、キャラがちょっと薄いかなぁと思います。

 

幽霊少女の方程式

ナガカタサンゴウ 11,550 現実世界〔恋愛〕 http://ncode.syosetu.com/n3468dj/

感想:文章が非常に読みやすく、一度も詰まることなく読めました。ミスターと幽霊少女のかわいらしいやり取りに頬がゆるみました。一方、物語内の時間経過を直接表現で書き過ぎている(数時間経って、◯日後、次の日等)ので、視覚情報や登場人物の疲労度等、何か他の手段で読者に時間経過を理解させるようにすると文章に厚みが出ると思います。ストーリーの内容は悪くないのですが、終盤急スピードで物語が閉じられていたので、もう少しじっくり書いてあれば構成点が高く付いたと思います。(なろうラボ)

 

C評価 15.5未満~10以上

情熱を内に秘めたエメラルド

小織 舞(こおり まい) 20,219字 現実世界〔恋愛〕 http://ncode.syosetu.com/n7231du/

感想:物語に読者が入り込めていない段階で四人以上の登場人物を出すなど、読者に対して少し負担の大きい作品だと感じました。作中に出てくる小道具や言葉の使い方が上手いため、一見冒頭の文章がかなり上手に見えます。しかし、よく読むと冒頭は登場人物の設定説明や物語を展開させる手段が会話文や括弧を使った表現に頼り切りであり、視覚描写があまり得意ではないという印象を受けました。小道具の使い方にはセンスがあるので直接表現以外の手段でさりげなく設定を説明する書き方ができると、より良い作品になると思います。小道具の雰囲気は好きなので、今後爆発的に良くなる可能性がある作者さんだと思います!(黒蓮・なろうラボ)

社畜ダンジョン~会社がダンジョンに飲み込まれた俺はスマホで無双する~

霜月零 10,765字 ローファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n7735dt/

感想:会社の中に現れたダンジョンを冒険するという設定の話。読み流せるくらいの軽さで誰もが考えるような妄想を楽しむWeb小説だという意見が審査員の中で出ました。しかし、軽さにこだわるあまり少し世界観の作りこみが甘く、単純すぎて読者が新鮮味を感じないように思えました。また主人公の語り口調がやや安定しない印象を受け、読者の読み心地が損なわれています。全体的に荒い部分が目立ったため、悩みながらもC評価を付けさせていただきました。(黒蓮・なろうラボ)

『芋ケンピ』を両親が貰ってきたので世界を救ってくる(短編集から一話)

鴉野 兄貴 2764字 ローファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n9559cg/1/

感想:デートから帰った両親から渡されたのは大量の芋けんぴ。異世界へと転移した主人公はその芋ケンピを分け与え、世界を救うという特殊な話。独創性あふれるテーマと読みやすい文(他の審査員によって減点)で読了後には誰しもがこの話のもっと細かな部分が気になってしまうことでしょう。長編の一部であるため、今回の企画では評価点が出にくくやはり全体像が分からないため、悩みましたがC評価を出させていただきました。(黒蓮)

The Music of Little Erich

フジムラ 12,689字 現実世界〔恋愛〕

http://ncode.syosetu.com/n1091di/

感想:楽器を引いている描写は非常に上手だと感じました。後半からは描写もじっくりと描かれていて読んでいてゾクゾクしました。特に少女が化け物と一体化する描写が良かったです。参加者の中でも語彙が豊富な作品で、一文一文が下手という印象はなかったのですが、描写が飛び飛びになっている印象があり、目が滑りました。また、主人公が活躍する場面が少ないため、どんな人物なのかが分かりづらかったです。おそらく作者様が脳内で想像した内容自体は参加作品の中でも悪くないものだと思われますが、演出がやや足りないかもしれません。(なろうラボ)

他のレビュアーからのコメント:曲調の表現は長年ピアノを習っていた自分から見ても光るものがあったように感じました。

 

Conte・End・World ~全ての登場人物へ捧ぐ~

草よしか 14,910字 ヒューマンドラマ

http://ncode.syosetu.com/n4071do/

感想:文章の読みやすさ、映像的表現力が高い作品ですが、世界観をひたすら述べていく設定集的な面が強く、設定を楽しめるかどうかで読者からの評価が変わる作品だと判断させていただきました。分かりやすく起伏のあるエンタメ作品が評価されやすい項目のため、作品がマッチしなかった部分もあります。しかし、難しく抽象的な設定を淡々と述べながら会話文も少なく描写が続くという形式は、主観も踏まえて述べさせていただくとプロの中でも高いセンスを要求される形式なので、評価されるには相当な技量が必要になるかと思われます(なろうラボ)

 

二次元にしか興味の無かったヘビーなオタク(俺)が、学年一の美少女とお付き合いするハメになった件

Past (菊川睡蓮) 14,321字 現実世界〔恋愛〕

http://ncode.syosetu.com/n7268ea/

感想:一人称視点でテンポよくストーリーが進むライトノベル読者のツボを上手くついた作品だと思います。ワンシーンの描写は「ライトノベル読者向けの青春小説」として考えれば、センスがあると感じました。問題なのは展開が早すぎること、リアリティの欠如、作中設定が消化不良という3点です。四話目まではキャラクターの紹介として上手く機能していますが、主人公の「心のケガ」というセリフが唐突なうえをヒロインの心変わりが早すぎるので読者を置いてけぼりにしています。リアリティに関しては「三億万部」という単位や、主人公の言動の変化等、設定は「特異体質」や「上谷さん」についての説明もなしに物語が終わっている部分が特に目立ちました。評価は低いですが描写は悪くないので、「三幕構成」などを学べば今後爆発的に伸びる作者さんだと思います。頑張ってください!なろうラボ)

星の話をしましょうか

向日葵きいろ 6,493字 現実世界〔恋愛〕

http://ncode.syosetu.com/n5899ea/

感想:天文部の少女とサッカー部の少年が、高校3年の夏に一緒に星を見に行く話。優しくてかわいらしい文体が特徴的で児童小説のような読み味の作品だと思いました。また、読みやすく短編作品として綺麗にまとまっている点が特に良いと思いました。登場人物たちの考えていることを、星で例えるシーンも好きな方が多いかと思います。この作品は、全体的に地の文で様々なことを直接説明しすぎている印象があります。また「イケメン」に関する表現のバリエーションが少ないことや、それを根拠づける具体例が弱い点、話を展開させる手段として会話文を利用するパターンが多いなど、全体的に表現の幅に狭さを感じました。また、個人的な好みによるものかもしれませんがキャラクターが高校生にしては幼く感じ、自主トレをしようとしている人間に関するリアリティの部分も気になりました。ただ、登場人物が中学生なら大きく印象は変わったと思います。(なろうラボ)

この輪廻から外してもらえるなら……

夏本香柚 2,281 ハイファンタジー

http://ncode.syosetu.com/n0301ee/

感想:文字数2281と非常に少なく、読みやすくさらっと読める作品でありながら、恋愛ものとしての読了感も感じられる。ただ、さらっと読めすぎてしまうからか、悲恋としての暗さや主人公の葛藤、が感じられにくく、多少消化不良な感じが否めない。構成として、主人公の視点や、葛藤の理由になる部分などがもう少し詳しく描かれていれば、より引き込まれる作品となるのではないでしょうか。(一色)

評価D 総合点10未満

毒沼の向こうで太陽が輝く

戯画葉異図 6,813 純文学

http://ncode.syosetu.com/n9732dz/

感想:訳アリ少年少女の物語。冒頭から緻密な表現かつ独特な文章、最初に読み終えたときに自分の頭の中には多くの疑問が生まれていました。2度、3度、何回読んでもその疑問は消えず、読むたびに疑問が増え続けていきました。まるでどこまでも続く暗闇の中に1人放り出されたような気分になりました。おそらくこの作品はそんな迷いや疑問を読者に与えたいのではないでしょうか。今回の企画ではこの作品の良さが測れないため、D評価をつけさせていただきました。(黒蓮)

 

なろうラボからのコメント:

この作品は、個人審査で言えばただのD評価というよりは「S」か「D」かの二択でのD評価でした。

一回目にこの作品の原稿を読んだとき、内容が難解すぎて理解できず、中学生の時に初めて村上春樹の「1973年のピンボール」を読んだときと同じ感覚になりました。

もしかしたらとんでもない名作なのかもしれませんし、今でもそうではないかという疑惑があります。

審査員全員が最低4回以上は読み返しました。参加作品40作品中一番読んだ原稿はこの作品で間違いありません。いくつかの作品でもやったことですが、内容を読み解くためにノートに時系列を書き込んで図解しました。字が汚くて申し訳ないのですが、以下はその一部です。

ここまで解読して推測できたことは

・この小説はマリーという女性(幻想?)に対して、オサムという少年が過去のたわいもない話を語るという話である。

・話はオサムとエリコとシロウが部屋で薬を決めてトリップセックスして一晩を明かし、次の日に学校を休んでいたアカリと合流してマックを食べてから、部屋に戻ってエクスタシーきめてセックスしている という描写を書いている。そして現在時間のオサムがそれをマリーに伝えている。

※他には登場人物が多重人格の精神障害者一人だけであり、語り手に信頼がないため内容を断片情報から推理するタイプの叙述トリック小説なのだという意見もありました。

今でもこれが正解なのかは分かりませんがとにかく私たち審査チームはこの作品に対してかなりの時間を費やしました。ここまでやって、内容を読み解くことができないということは「構成」と「読みやすさ」に対して低い得点を出していいという結論にいたりましたが、時折描写がA評価の作品にも負けないものすごく美しいシーンもあり、私たちにはこの作者の実力が本当に判断できませんでした。

なので「D」を出してはいますが、「企画に対してマッチしなかった」という可能性があったことを述べておきます。

 

評価の最後になりますが、今回評価を公開されたのは一部の作者様に限られております。ご協力いただきました作者様、そして公開には至らずとも参加してくださった作者様には心から感謝を申し上げます。

また評価の仕方等の質問には答えられませんが、後日可能な限りの情報を

「反省会」として別ページに掲載したいと考えています

予告 なろうラボはWeb小説レビューサイト「KaKuKaKu」とコラボし、第二回評価シート付き短編小説レビュー開催予定

さて、今回小説紹介アカウント「LcRA」様とのコラボ企画として開催した評価レビュー企画ですが、今度はWeb小説レビューサイト「KaKuKaKu」とコラボし、早くも第二回の開催が近づいています。

詳細についてはまた後日報告させていただきますが、まずは現在決まっている審査員の方を紹介します。

なろうラボ
当サイト管理人。ご存知かと思いますが、普段はWeb小説投稿に役立つ情報を集めるアンケートなどをおこなっています。最近ベイビードライバーという映画にハマっています。

クロスグリ

ライトノベルを愛する書き手兼レビュアー。他人の文章にはうるさく、一癖ある作品が好み。短編作品においては無駄の少なさとオチを重視いたします。好きな短編小説は、時雨沢恵一「キノの旅」  web小説やライター活動の専門サイトを運営中。主にハウツー記事を掲載しています。依頼制の作品レビューもしているので、気になった方は下記のリンクからご連絡ください。 Twitter: Site:

 

その他実力のあるレビュアーさんを複数人呼んで開催する予定です!

よろしくお願いします!

 

「LcRA」レビュアーから最後に

黒蓮:

今回、LcRAを代表し僭越ながら一色さんと共に皆様の作品に評価を付けさせていただきました。

こういった公の場で作品にコメントを付けたりなどということは初めてでしたが、自分なりに誠心誠意、皆様の子供であり分身でもある作品たちに対して熱くぶつかっていけたと思っています。

それでもやはり、趣向の異なる多くの作品を1つの規定の枠に当てはめ評価をするという仕様上、今回こちらで用意させていただいた計5つの評価項目に合う作品、合わない作品が出てきてしまうこと、そして何より自分の経験値の足りなさ故に、今回付けさせていただいた評価は正確かつ客観的なものであるとはとても言えません。

今後2回、3回と回を重ねる毎により1つ1つの作品に正確かつ客観的な評価が付けられるよう、評価形式を始め企画のあらゆる部分をその都度改善し更によいものを作れるよう努力する所存です。

今回の評価に関しては先述の通り、評価形式に作品がマッチするかなど様々な要因で思うような評価ではなかった方も多くいらっしゃると思いますが、公式の評価や大衆の意見という見方ではなくあくまでも一読者の意見として受け取っていただければ幸いです。

この企画へレビュアーとして参加し、普段では考えられないほど多くの方の作品を読み、評価を付けさせていただくという貴重な経験をさせていただけたこと、そしてまだまだ未熟な企画に快く参加してくださったこと、この場を借りて皆様に御礼申し上げます。

この先どのような形で企画やアカウント運用が進んでいくかはまだ分かりませんが、今後とも是非なろうラボとLcRAの活動を暖かく見守っていただければと思います。 本当にありがとうございました。

 

一色:

どの作品も個性豊かで、楽しませていただきました。 こういった機会でもないと、ジャンル問わず沢山の短編を読むことも中々ないので、レビュアーとして参加させていただけたのは、とても幸運なことだったと思います。 私自身、小説家になろう様の方で、小説を投稿させていただいておりますが、まだまだ未熟な身です。 そのため、今回皆様の小説を読ませていただくことで、非常に勉強をさせていただけました。

今回の評価について。 持論ではありますが、短編小説は文字数の関係で話を広げるということが、非常に難しくなっていると思っております。 そのため、長編小説のようにゆっくりと話に入ってもらうことができず、読者様をいかに早く小説の世界に入り込んで貰えるか、が大事になってくると、私は思っています。

したがって、下記記載のことを重視し、評価をさせていただきました。

一度読むだけでも、情景が想像しやすいかどうか。

音読しても読みやすい文章であるかどうか。

ズレた意味の言葉を使っていないかどうか。

そして、前後の文章と矛盾した表現をされていないかどうか。

上記の通り、私もまだまだ未熟な身です。 ですので、今回の評価に関しても完璧なモノとは言えませんが、私という読者が読んだうえで感じた評価、ということであれば、正確なモノではあります。

もし評価が気になった場合は、また作者様本人でもゆっくりと作品を見直してみてください。 考えたら考えた分だけ、小説は良くなる可能性があります。 もちろん悪くなる可能性もありますが、それでも作者様自身の技術にプラスになるかと思います。 そんな風に今回の評価を受け止めていただければ幸いです。

 

なろうラボ:

参加者の皆様、運営のメンバーの皆様お疲れ様です。

「Twitter上のただのアンケートツール」でしかなかった私が、書籍化作家さんも参加する企画の審査員になるとは思ってもいませんでした。このような機会を与えてくれたLcRAの黒蓮さん、そして協力してくれた一色さんには感謝いたします。

今回の企画はいずれ『伝説の第一回』と言われるんじゃないかというぐらいにレベルの高かったです。正直なろうの評価平均ストーリー4 文章4という感じでもCにされてしまうほどのレベルです。上位の作品は差を見分けることが本当に難しく審査員側の敗北を感じました。

しかしながら、この企画は「面白い」よりも「上手い」が評価される企画です。

「才能を図る」企画でも「きらりと光る何か」を見つける企画でもありません。点検や、テストに近いです。

言ってしまえば「短距離走のフォームで点数をつける大会」であって「短距離走のタイムを競う大会」ではないのです。

「俺はこんな不格好な走り方だけどめちゃめちゃ速いんだ」という作品は本当にたくさんありました。この企画のABCDは面白さを肯定しません。

それでも「俺の走り、最近調子が悪いんだけど何が悪いんだろう」と悩んでいる方に何か届けられたらうれしいなと思います。

後日反省会ページでも話しますが、今回はこれでおしまいにします。

皆様本当にありがとうございました